勉強ノート

診療中に気づいたClinical Questionについて、自分なりにまとめています。間違いがあったら教えて下さい。

神経皮膚症候群(母斑病)

神経皮膚症候群は神経系腫瘍の発症リスクが高い疾患です。


神経線維腫症1型は常染色体優性遺伝、1/3000人で発症する頻度の高い疾患です。

神経線維腫症1型では、叢状神経線維腫、視神経膠腫、上衣腫、髄膜腫、星状細胞腫、褐色細胞腫などの神経系腫瘍を生じるリスクが高く、神経線維腫は二次性に悪性化して肉腫となることもあります。

褐色細胞腫を発症する頻度は約1%、副腎に発症する例が多く(94%)、悪性化する症例は12%と報告されています。

血管の脆弱性から狭窄や閉塞、動脈瘤形成を来す頻度は0.4〜6%と報告されています。動脈瘤の破裂などで血管内治療を行ったり、死亡した症例報告も散見されます。