勉強ノート

診療中に気づいたClinical Questionについて、自分なりにまとめています。間違いがあったら教えて下さい。

ハイムリッヒ法(Heimlich maneuver)の合併症

上気道閉塞の緊急処置である”ハイムリッヒ法”は、1974年にHenry Heimlichによって報告されました。合併症が起こる事があるので、病院を受診しましょうと説明しているため、合併症の種類についてPubmedで検索してみました。合併症の頻度は少ないですが、高齢者のcase reportが多いような印象です。血管損傷に関しては致死的な転帰を辿るので注意が必要です。

  • 頭頚部
  • 胸部
    • 食道の損傷、破裂
    • 肋骨骨折
    • 縦隔気腫、皮下気腫
    • 横隔膜ヘルニア
    • 横隔膜破裂
    • 大動脈弁損傷、大動脈弁閉鎖不全
  • 腹部
    • 腹部大動脈の血栓症
    • 腹部大動脈の損傷
    • 脾臓破裂
    • 十二指腸食道の損傷、破裂
    • 肝破裂
    • 膵臓の断裂

余談ですが、ハイムリッヒ法で効果がなかった場合、胸部の圧迫を考慮しても良いという論文もあります。
www.ncbi.nlm.nih.gov