クラミジア肺炎と動脈硬化
感染による炎症で動脈硬化が誘導されるという、基礎的、臨床的な研究結果が報告されています。動脈硬化との関連が示唆される感染症は、以下の通りです。
- 単純ヘルペスウイルス
- サイトメガロウイルス
- 歯周病菌
- ヘリコバクター・ピロリ
- クラミジア肺炎
クラミジア肺炎に関する国内のコホート研究には以下のものがあります。この研究では、クラミジア肺炎のIgA抗体価が高い女性は、虚血性心疾患の発症率と死亡リスクが有意に増加すると報告しています。しかしながら、虚血性心疾を発症した集団で、高血圧,糖尿病の有病率が高く、一概にクラミジアが原因とは結論付け出来ません。
以下のメタ解析では、クラミジア肺炎に感染している虚血性心疾患に対する抗菌薬治療は、生命予後、心筋梗塞の発症、狭心症と心筋梗塞の複合エンドポイントのいずれも改善しないと報告しています。少なくとも二次予防に抗菌薬は効果がないようです。
Effects of antibiotic therapy on outcomes of patients with coronary artery disease: a meta-analysis of randomized controlled trials. - PubMed - NCBI