心筋トロポニンTの上昇は急性冠症候群(ACS)の診断に非常に有用な検査ですが、様々な要因で上昇することが知られています。救急外来でトロポニン陽性患者のうち、ACS以外の疾患と診断された患者の割合は約65%と報告されていますので、検査値の解釈には注意が必要です。
トロポニンはACS発症後6〜8時間、高感度トロポニンTは約3時間経たないと感度が低いです。またトロポニンの半減期は長く、トロポニンIは1週間、トロポニンTは3週間と言われています。
ACS以外でトロポニンが上昇する病態は以下の通りです。
- 急性疾患
- 慢性疾患
- 虚血性心疾患
- CKD
- 心房細動
- 慢性心不全
- 糖尿病
- 肺高血圧症
- 高齢者
- 激しい運動後