偶発性低体温
- 定義:深部体温が35〜36℃未満に低下(中等症:30〜34℃、重症:30℃以下)
- 体温調節機能障害のある患者に起こりやすい(高齢者、IDDM、低栄養、アルコール/薬物依存、慢性疾患)
- 呼吸数や心拍数の低下があるため、呼吸や脈の確認は30〜45秒かけて行う(class1)
- 濡れた衣服を脱がせ、気管挿管、血管確保を行う
- 低体温でモニターの電極が貼り付けられない場合は、安全ピンで皮膚に留める
- 復温法は以下の通り(体幹部のみを温める(目標は32〜34℃))
- 受動的復温:毛布や反射金属ホイルラップによる
- 能動的復温:加温加湿酸素投与、PCPS、加温輸液(42〜44℃、150〜200cc/h)、放射ヒーターなど
- 急激に四肢を温めると、血管拡張が起こり、冷たい血液が中心循環にもどり深部体温が低下する(アフタードロップ)
- 急激に四肢を温めると、過度に血管が収縮しており,組織障害を起こしやすい。
- 中等症低体温のBLSとACLSでの変更点
- 低体温の心臓では、薬物への反応は弱く、ペースメーカーに対する反応性も低下している可能性がある
- 低体温では、薬物代謝が低下し心作動薬を反復投与すると末梢循環に薬物が蓄積し、中毒域に達する事がある
- 重症低体温ではVf、VTに対するショックは1回のみ、薬物投与を避け、復温に努める(少なくとも深部体温が30℃を超えるまで)
- 中等症低体温ではVf、VTに対するショックを繰り返す。薬剤投与の間隔は長めにする