勉強ノート

診療中に気づいたClinical Questionについて、自分なりにまとめています。間違いがあったら教えて下さい。

循環器疾患を合併した睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者に対する陽圧呼吸療法の効果

”循環器疾患を合併した睡眠時無呼吸症候群SAS)患者に対する陽圧呼吸療法は無効だ”という結果が多いようです。SASは循環器疾患の原因というよりも、結果として生じている可能性が高いのかもしれませんね。

2015年のNEJMのRCTでは
P:中枢性睡眠時無呼吸患者(1325例、ejection fraction<45%、AHI>15/h)
E:陽圧呼吸療法(ASV)+薬物治療
C:薬物治療
O:イベント発症(time-to-event analysis、死亡、心移植、心臓補助デバイスの導入、心不全入院など)

このRCTでは、ASVは有用ではなかったと結論ずけられていました。

www.ncbi.nlm.nih.gov


2017年のJAMAにメタ解析が発表されていました。
P:成人の中枢性もしくは閉塞性の睡眠時無呼吸患者(7266例、平均年齢60.9歳)
E:陽圧呼吸療法(CPAPもしくはASV
C:なにも介入しない
O:心血管性イベント(急性冠症候群、脳卒中、心血管死)もしくは総死亡

このメタ解析では、陽圧呼吸療法は有用ではなかったと結論ずけられていました。

www.ncbi.nlm.nih.gov


2017年のJACCには、心不全を合併したSAS患者に関する介入試験が発表されています。
P:心不全で入院し、中等〜重症のSASを合併している患者126名
E:陽圧呼吸療法(ASV)+薬物治療
C:薬物治療
O:死亡、心血管入院、6ヶ月後の6分間歩行距離

このRCTでは、ASVは有用ではなかったと結論ずけられていました。

www.ncbi.nlm.nih.gov