勉強ノート

診療中に気づいたClinical Questionについて、自分なりにまとめています。間違いがあったら教えて下さい。

プロカルシトニン(procalcitonin:PCT)はどんな時に有用か?

PCTは全身の細菌感染症敗血症)で特異的に上昇する血液バイオマーカーです。

  • CRPに比べ反応時間が早く、敗血症の早期診断に有効です。
    • PCT反応時間:2〜3時間(CRP:6時間)、ピーク:12時間(CRP:48時間)
  • PCT濃度は感染症の重症度も反映するため、効果判定に利用する事ができます。
  • ステロイド抗癌剤使用により、WBCCRPが当てにならない時にも有用です。
  • 敗血症診断における感度は77%、特異度79%です。

www.ncbi.nlm.nih.gov

  • 偽陽性
    • 生後間もない新生児
    • 急性呼吸促迫症候群(ARDS)
    • 熱帯熱マラリア
    • 全身性真菌感染症
    • 重症外傷
    • 外科的侵襲
    • 重度熱傷
    • 熱中症
    • 成人型スティル病
    • ホルモン産生腫瘍(甲状腺髄様癌,肺小細胞癌,他)
    • サイトカイン・ストーム状態
  • 偽陰性
    • 細菌感染の超急性期
    • 軽症感染
    • 局所感染
    • 亜急性心内膜炎

”PCTが陰性=細菌感染では無い!”とは言えませんので御注意を!