ETCO2(end-tidal CO2:終末呼気CO2濃度)
名前の通り呼気終末の肺胞内でのCO2濃度を反映し、動脈血炭酸ガス分圧とほぼ等しくなります。低換気、心停止などでは、換気が障害されるので、ETCO2は低くなります。
- 正常値:40±5 mmHg
- 呼吸により肺胞から呼出されたCO2は、ガス交換に関与しない気道部分で希釈されるので、口元に呼出されたETCO2はPaCO2と比べ2~5mmHg程度低くなります。
心肺蘇生時への応用
- 食道挿管では呼気時にCO2が検出されないため、ETCO2は低値となります。
- 気道閉塞もガス交換ができないため、ETCO2は低値を示します。
- 心肺停止時には肺血流がないので、ETCO2は0mmHgを示します。
- 胸骨圧迫が不十分な場合,緊張性気胸や心タンポナーデ(閉塞性ショック)によって胸骨圧迫が無効な場合にもETCO2は低値を示します。
- ETCO2が常に15mmHgを下回っている場合には、胸骨圧迫の質を高め,過換気を避けるようにします。
- 胸骨圧迫で肺血流が増えるとETCO2は上昇します。
- 心拍が再開すると肺血流が増えるのでETCO2は上昇します。
- ETCO2の値の高いほうが蘇生の成功率は高いのですが,ETCO2の値が低いからといって蘇生を止める決定的な指標にはなりえません。
JRC蘇生ガイドライン2015では、気管チューブの位置確認や連続モニターに、波形表示のあるETCO2測定が推奨されています。